今回紹介するのは、中国系シンガポール人のマルチな才能、ディック・リーの「マッド・チャイナマン」。

まず、ジャケのインパクトがハンパない。伝統衣装に身を包んだ本人のポートレイトで、別にふざけてるわけでもなんでもないのに、なぜかキワモノ感が凄い。

そして、アルバム・タイトル。直訳すると、「◆◯★△中国人」。こうやって文字に起こすとトンデモないね。

ただ、これも悪ノリしているわけでもなんでもなく、自分は中国人なのかシンガポール人なのか、そのアイデンティティのコンプレックスを自嘲的に表現したものでしょう。

「マルチな才能」と書いたのは、彼が作詞・作曲・プロデュースと、音楽面で八面六臂の活躍をしているだけでなく、元々ファッション・デザイナーであったり、経営者であったりの知的な才人だからです。

画像: ジャケとタイトルのインパクトで珍盤殿堂入り:ディック・リー「マッド・チャイナマン」

音楽的には、彼自身のルーツである地元の民謡や童謡をポップにアレンジした曲が多く、それゆえメロディも平易でとても親しみやすい。

中でも白眉なのは冒頭の曲「ラサ・サヤン」。
東洋の美しい景色を想起させる甘美なメロディのアカペラ・コーラスから入り、続いてパワフルなドラムのビート、いかにもこの頃のワールド・ミュージックっぽいチープなシンセ、そしてメタリックなディストーション・ギターが被さると、聴いてる方もアドレナリンが噴出。

そうしたバックの音に、多言語を駆使したラップが乗る。めちゃくちゃカッコイイ。
そうやって散々盛り上げた挙句、サビで再び冒頭のメロディに戻るのですが、重層的だったバックの演奏は突然スッカスカに。この「膝カックン」感がたまらない。

「珍盤」とするにはスマートすぎる音楽性だけれども、まぁ、ジャケとタイトルのインパクトで。
もちろんこれも中古で入手しました。


別に中古でいいじゃん。


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